実家と自宅を往復する24時間・W介護生活

妻がアルツハイマー型認知症と診断されたのは2024年7月だった。
男は毎朝、妻と一緒に実家に行って3人で昼を一緒に食べ、母親の分の夕飯を作って自宅に戻る生活を送っていた。
証人・長女:
「夫婦仲はとても良かったです。母が認知症になってからも、父が手を上げたり声を荒げたりするところは一度も見たことがありません。母の手がひび割れていたら、丁寧に薬を塗りこんであげて、ガーゼで保護して…。なんでこんなに穏やかに接することができるんだろうって思うくらいでした」
証言台に立った長女は、少し緊張した面持ちではあるものの、はきはきと、明快に、両親のこと、そして犯行前後に見聞きしたことを語った。
長女:
「父は母につきっきりでした。特に『要支援1』の認定を受けてからは、夜も一緒に過ごし、24時間体制でサポート。でも母の症状は急速に悪くなっていって…」
2025年に入って、妻の認知症は坂道を転がり落ちるように、急速に悪化していった。








