「帰住先確保」は9割以上に

12月3日に行われたモデル事業の中間報告会。法務省によると、今年9月までに出所した28人のうち、

帰住先を確保できた…………27人(96.4%)

帰住先を確保した人の割合は、2022年の平均値より10ポイント以上高くなりました。

一方で
再入者(未決拘禁を含む)…5人(17.9%)
となっています。

また出所時に行った個別面接では、入所時よりも自己肯定感が上昇し、立ち直りに向けた前向きな姿勢も見られているということです。

事業導入後の変化について、長崎刑務所の平川勝文看守長は、「モデル事業が始まった頃は、消極的な知的障がい受刑者も多かったが、回を重ねるごとに、自分のためになると感じるようになり、今は抵抗する人はほとんどいない」と話します。

また、「困った時に、誰かに頼ることができるという態度変容が見られていることは1つの成果」と評価しています。

出所者の声は

長崎刑務所では2024年12月3日までに延べ65人がプログラムを受講しています。出所者からは「担当の刑務官にはとてもお世話になった。相談に乗ってくれたり、話を聞いたりして親身になって対応してくれた」「花を育てる訓練に取り組んだことで、植物に対する興味がわいた。今は花の写真を撮ることが好き」「今までの自分が180度変わった」などの声が聞かれたということです。

一方で、プログラムを受講し出所したものの窃盗の罪で再入した人からは、「周囲へ助けを求められなかった」ことや「自身の障がいを受け入れられなかった」という意見が聞かれ、心理的要因へのアプローチなどが今後の課題とされています。