5ミクロンの溝を刻むことができる金属加工装置

長崎大学の開発チームから依頼をうけたのは長崎県平戸市に事業所を新設したばかりの会社でした。

KTX野田太一社長:
「いやサメ肌のってあんまり聞いたことなかったので、感じザラザラとしたイメージなのかあなんだろうっていう…海のサメですからね。ちょっと想像がつかなかったんすけども、はい」

KTXは愛知県に本社を置く自動車内装部品の金型製造会社で、2021年平戸市に高性能のレーザー金属加工装置を導入していました。

日本に一台しかないとされる機械が壁を一気に打ち破りました

KTX野田太一社長:
「非常に細かい柄なので、それをどんなふうに彫っていくのか。あるいは、どっちの方向に掘っていくのかとか、全て手探りでしたので、いろいろな方法で解析してやらせていただきました」

完成したサメ肌鑷子の先端部分です。
サメ肌再現のために刻まれた溝は5ミクロン、1,000分の5ミリという細さです。

指でつかむ部分にもサメ肌加工が施され、滑り止めとして機能しています。

救急現場で 特に高い評価を受けたワケ

長征爾記者:
「長崎で生まれた『サメ肌鑷子』です。持ってみてまず気づくのは、我々が普段使うピンセットとは全く違う質感とバランスです。非常に使いやすいんですが、やはり驚かされるのは先端のグリップ力です。こんなことまでできます」

(手のひらの”表皮”だけをつまみ、引き上げる)