先端に『サメ肌』を再現。しかし加工には大きな壁が──

ポイントは先端に施す加工です。臓器を安全・確実につかめる模様とは──
永安さんが目を付けたのは“サメ肌”でした。
サメ肌は細かい歯のようなうろこでおおわれていて、一定方向では高い摩擦力を生み出すことで知られています。

Q「なぜ鮫肌?」
長崎大学 永安武学長:
「鮫肌はですね、私と一緒に、長年“医工連携”をしてくれている工学部の山本郁夫副学長が『これって何か医療の機器に使えませんか』っていうことだったので、ちょうど私も鑷子のことを考えてたので『鑷子の先端にいいんじゃないですかね』ということで」


長崎大学では『サメ肌鑷子』という名前を付け開発をスタート。ポイントはサメ肌のような機能を科学的に再現し、それを金属の先端に加工することでした。
最適な機能を持つ模様は決まりました。しかし、それを金属上で削りだすことは従来の機械加工では、技術面やコスト面で困難なことが分かったのです。

立ちふさがった壁。しかしその問題を解決した技術は長崎県内にありました。