民間企業の水準にあわせようと、人事院の勧告を受けて、公務員の給与を引き上げようとする動きがあります。
こうした中、官製談合事件で揺れる宮崎県串間市でも、来週開会する12月議会で市長や副市長ら特別職のボーナスを引き上げる議案が提出されることになっていて、市民から厳しい声が上がっています。
12月議会に副市長など特別職のボーナスを引き上げる議案
串間市が発注する公共工事をめぐり、福添忠義副市長ら5人が、官製談合防止法違反などの疑いで逮捕された事件。
島田市長は、21日、会見を開き、副市長の進退や拘束期間中に支払われる給与などについては、「議会と相談する」と説明しました。
こうしたなか、来週から始まる串間市の12月議会では、ある議案が提出されることになっています。
それが、市長や副市長など特別職のボーナスを引き上げる議案。可決されれば、島田市長は8万1000円余り、副市長の福添容疑者は6万5000円余り、それぞれボーナスが引き上げられます。
1本の議案として抱き合わせ「おいちょっと待ってくれ」
さらに、この議案では市議会議員のボーナス引き上げがセットになっています。
(木代 誠一郎 串間市議会議員)
「市長・副市長のボーナスアップ。1本の議案として抱き合わせ、1セットで出ているというので、おいちょっと待ってくれと」
こう話すのは、串間市議会の木代 誠一郎議員。
木代議員によると、以前、市長や副市長らと、議員のボーナスはそれぞれ別の議案で賛否を問われたこともあったといいます。
(木代 誠一郎 串間市議会議員)
「別々に上程するとか、あるいはせめて市長や副市長そういったところのボーナスアップは見送るとか、そういった考えはなかったのかなと」
市民からはさらに厳しい声
人事院の勧告に伴う引き上げですが、官製談合事件で揺れる中でのボーナス引き上げの議案提出に市民からはさらに厳しい声が聞かれました。
(市民)
「今回いろいろ不祥事があって、その辺を反省、もしくは自粛するなら、逆にその分、給料・ボーナスをカットしたらどうなの」
「これはもう断然許せない。市民が生活が厳しいのに、もう少し市民のことを考えてほしいなと」
こうした市民の声に対し、市の担当者は…
(串間市 吉国保信総務課長)
「国の決定ですので、真摯にうちもそれにのっとって条例をご提案していますので、そこは議会の場で議論されるものと考えております。副市長に対する給与等の支払いにつきましては、差し止めを含めまして、今後協議してまいりたいと考えております」
議案がすんなり可決する可能性も
木代議員は、市長らと議員のボーナス引き上げが1つの議案にセットになっていることから、議案がすんなり可決する可能性もあると話します。
(Q.(議案は)変えられないということか)
(木代 誠一郎 串間市議会議員)
「議会側で、何かしら修正だったりとか、そういった修正議案が出されれば、変えることはできますけれども、少なくとも現段階では、賛成か反対かどちらかになるかと」
串間市の12月議会は今月27日に開会します。
期末手当の引き上げですが、国の特別職の、給与に関する法律の一部改正に伴うものです。
ほかの自治体でも議案提出の動きがありますが、保留することもできるということです。
串間市の場合は、このタイミングだけに、納得いかないという市民も多いかもしれません。12月議会が注目されます。
※MRTテレビ「Check!」11月22日(水)放送分から