宮崎市が取り組んでいる「トライアル・サウンディング」という取り組みについてです。
「トライアル」は暫定利用、「サウンディング」は意見や提案を聞くという意味ですが、行政の土地や施設などを民間事業者に貸し出し、今後の活用方針の検討に生かす取り組みです。そこには、どんな狙いがあるのでしょうか。
(垣内沙耶記者)
「こちらの場所では、いちごあめや、お肉料理、おしゃれな飲み物などを販売しています。これは、市の土地を有効活用したトライアル・サウンディングという取り組みなんです」
先月30日、宮崎市にオープンした「あみーろーど屋台村」。
この場所は、街中を周遊する低速電動バス「ぐるっぴー」の発着所で、宮崎市の市有地です。
今回、宮崎市は、この土地を、民間に「無料」で貸し出しました。
(企画を提案した民間事業者「りょう」 吉岡良祐代表取締役)
「宮崎駅の駅前なので、ここの土地を空き地にしておくのはもったいないなということで、注目され、話題性がある発着所になることを目指していきたい」
なぜ、宮崎市は、土地を「無料」で貸し出したのでしょうか。
「あみーろーど屋台村」は、来客数や売り上げといったデータを、宮崎市に共有。
市は、そのデータをもとに採算性や集客性を確認し、今後の開発の検討にいかすことにしています。
これが、「トライアル・サウンディング」です。
(宮崎市まちづくり課 日高和哉企画係長)
「民間にとっては実際に挑戦することによって、本当に自分たちがやりたいと思ったことを形にしてお客さんが来るのか、いわゆる採算が取れるのかということを確認できるし、行政は、今後、民間開発を誘致する上での参考の条件として、データをいただくというように双方にとってメリットがある」
宮崎市では、JR宮崎駅近くの公園と児童館でも「トライアル・サウンディング」を実施。先月、民間による飲食物の販売やVR体験といった多彩な催しを行い、およそ360人が訪れました。
(宮崎市まちづくり課 日高和哉企画係長)
「民間の視点で集客力というのは必ず高まると思っているので、こういう流れというのは今後も続いていくと思います」
清山市長が掲げる「公民連携」のひとつに位置づけられる「トライアル・サウンディング」。
市では、500余りあるほかの都市公園についても市場調査を行い、民間のアイデアを生かした利活用を模索していくことにしています。