宮崎県新富町の航空自衛隊新田原基地に、来年度から配備される最新鋭のステルス戦闘機F35Bについて、九州防衛局は、緊急時を除き行わないと説明していた垂直着陸の訓練を一転して実施する方針と発表しました。

垂直着陸は通常と比べ騒音が激しく、町民からは騒音に対する懸念の声があがっています。

新田原基地には、来年度から最新鋭のステルス戦闘機F35Bが8機配備される予定となっています。

F35Bの垂直着陸の訓練について、九州防衛局はこれまで、緊急時を除いて通常は行わないと説明してきましたが、26日、一転して、夜間も含めて常時実施する方針と発表しました。

この理由について九州防衛局は、訓練の場所として鹿児島県西之表市に建設中の馬毛島基地の整備完了が2029年度末にずれ込むことや、安全保障環境の厳しさが増していることなどを挙げています。

新富町の小嶋町長は、九州防衛局の方針について「町民や町の認識と大きく異なり、地元住民の安心安全な暮らしに関わる重大な事項。到底受け入れがたく、国から地域住民に対する迅速な情報提供と丁寧な説明を強く求める」とコメントしています。

垂直着陸は通常の着陸と比べて騒音が激しく、九州防衛局は訓練の頻度について来年度は月におよそ30回、配備機数が最も多くなる2029年度は月100回の実施を検討しているとしています。

この訓練の実施について、町民は。

(町民)
「ものすごい騒音になると思う」
「一概に反対とは言えないけど、やっぱりうるさいのはうるさいと思う」
「(今も)夜中にゴーって音がすると飛び起きるくらい怖い。防音工事とかそういう保護もちゃんとしてもらいたい」

また、河野知事は。

(宮崎県 河野俊嗣知事)
「やはり直接騒音を含めたさまざまな負担、そして、不安にさらされる地元の皆さんがどのように受け止められるか、そこを大切にしていきたいと考えています」

県は、26日、地元住民の声を踏まえた対応を検討するよう求める要望書を九州防衛局に提出しています。