戦争が始まる前の本来のウクライナを知ってほしい

避難してきた当初は、飛行機の音を聞くたびに故郷の惨状を思い出し動揺していたというヴィクトルさん。

気持ちが落ち着いてくるとウクライナの美しい景色が頭に浮かんできました。

(ヴィクトルさん)
「最初はストレスがすごく、何もする気にもなれなかったけど、周りの人たちのやさしさに癒されて、また描きたい、宮崎の人たちにもウクライナの思い出を見せたいと思った」


長年、デザインの仕事に携わり画家としても活動していたヴィクトルさんは、記憶の中にある祖国の姿を絵に残すことを決意。
洗面所をアトリエ代わりにして毎日、絵を描き続けています。


(ヴィクトルさん)
「ここなら汚れても気にしない、誰にも邪魔にされないし」

ヴィクトルさんが描くのは風景だけではありません。

ウクライナの伝統的な衣装、コサック・・・


古くから伝わる弦楽器、バンドゥーラ・・・


そして人々の暮らし・・・


そこには、戦争が始まる前の本来のウクライナを知ってほしいという強い願いが込められています。

(ヴィクトルさん)
「私たちの国は今まで戦争もなく、ずっと平和に暮らしていた。ちゃんときれいな国だった。
私たちは、誰も悪いこともしていないし、戦争もなかったし、普通の国だったということを伝えたい」