地域ごとに昔から伝わる風習というものがありますが、金沢にも面白い風習がたくさん残っているんです。彼岸に合わせて行われる一風変わった風習に注目しました。
MRO北陸放送 石橋弘崇アナウンサー
「私は今、昭和の時代にタイムスリップしてきました。見てください。ブラウン管テレビですよ。そして黒電話もあります。台所に進んでいきますとガス釜もあります。」
昭和の雰囲気が楽しめるこの場所は、金沢くらしの博物館です。館内には春の風物詩“金花糖”、夏の風物詩“氷室饅頭”など金沢の四季の文化が展示されています。

金沢くらしの博物館で学芸員を務める東條さやかさんに、まもなく行われる金沢の風物詩について訊ねました。
金沢くらしの博物館 学芸員 東條さやかさん
「彼岸の中日に行われる”七つ橋渡り”というものがあります。七つ橋渡りとは、金沢市内を流れる浅野川にかかる七つの橋を渡る風習なんですね。彼岸の中日の真夜中、午前0時に、浅野川に架かる“七つの橋”を渡ると下の病気にかからない、つまり寝たきりにならないと言われているので、そういうことを願って歩く風習です」
“七つの橋”とは常磐橋、天神橋、梅の橋、浅野川大橋、中の橋、小橋、昌永橋です。上流にある常盤橋からスタートして下流の昌永橋にむけて一筆書きのように橋を渡り歩きます。

MRO北陸放送 石橋弘崇アナウンサー
「3つ目の橋、梅の橋なんですけど、梅の橋ってどういう橋か教えて下さい」

金沢くらしの博物館 学芸員 東條さやかさん
「梅の橋は泉鏡花の小説、義血侠血の舞台として知られていて、主人公の滝の白糸の像がある」