石川県珠洲市周辺で続く活発な地震活動をめぐり、京都大学防災研究所などの研究グループは、震源域の近くに電気を通しやすい領域の存在を明らかにしました。

石川県珠洲市

珠洲市周辺では6月19日に最大震度6弱を観測するなど、2020年12月ごろから活発な地震活動が続いていて、研究者の間では地下深くにある水のような流体が地震を引き起こしているという見方が強まっています。

京都大学防災研究所や金沢大学などの研究グループは、去年11月から今年4月にかけて珠洲市や輪島市、能登町で地下の電気の通しやすさを調べる観測を行いました。

観測機器を設置する吉村教授=2021年11月、珠洲市

データを解析した結果、一連の地震活動が始まった南側の領域と、現在最も地震活動が活発な北側の領域に沿って電気を通しやすい領域があることが分かりました。

水のような流体は他の地盤と比べて電気を通しやすいとされ、一連の地震活動に流体が関与している仮説を裏付ける結果となりました。

京都大学防災研究所の吉村令慧教授は「原因に迫る一歩になった」と強調し、11月からは長期間にわたる陸上での調査も行うことで流体の移動を捉え、地震活動の推移予測につなげたいとしています。