あばれ神輿が出発する御旅所(おたびしょ)は、元日の地震で鳥居が倒れたたため竹で作られた鳥居が設置されていました。
神輿責任者から選ばれた者だけが担ぐことを許されるあばれ神輿。
午後8時半に神輿は出発し、地震や津波で被害を受けた町の中を神輿が勢い良く走り抜けていきます。
まちなかで激しく暴れる神輿。地震で被害を受けた地面が神輿を落としたり転がしたりするたびに震えます。
あばれ神輿は、神輿が暴れれば暴れるほど神様が喜び、禍(わざわい)から町を守るとされています。
神輿は宇出津の町の中心部を流れる梶川(かじがわ)へ。
元日にはこの梶川にも津波が押し寄せました。
大勢の観客が見守る中、担ぎ手たちは全力で神輿を川の護岸などに叩きつけます。

祭りのため神輿を先導する役割を持つキリコや神輿の通り道は整備されましたが、その脇の歩道は割れたままです。地震の爪痕が残る町内を復興を祈る灯りが進みます。

神輿は、火の粉を浴びながら松明に叩きつけられます。復興を願い、全力で暴れ続けた神輿はボロボロになり、祭りは最後のクライマックスへと向かいます。