取材後記

法廷に現れた女は、決して特別な「身勝手な親」などではなく、スーパーや公園ですれ違うような、どこにでもいる”普通の母親”でした。
「私が泣いていると、よしよししてくれる優しい娘だった」
涙ながらに語られたその言葉は胸に深く突き刺さりました。
大好きだったはずの娘の命を奪うまで、なぜ女は一人で抱え込まなければならなかったのでしょうか。
「被告人ばかりを責めるのはためらわれる」
この司法からの重い言葉は、孤独な親たちを孤立させている私たち「社会全体」に向けられた問いかけでもあります。
現代のワンオペ育児が抱える孤独の深さ。
壁の向こうの泣き声や、助けを求める小さなサインに気づける社会であれるか。
失われた小さな命が、私たちにそう問いかけている気がしてなりません。
(MBS司法担当 柳瀬良太)














