2023年の高知県の貿易収支が、154億円あまりの黒字となったことが分かりました。2年ぶりの黒字です。

県とジェトロ高知によりますと、2023年の高知県の輸出額はおよそ815億3400万円、輸入額はおよそ661億2400万円で貿易収支は154億1005万円と2年ぶりの黒字になりました。

前の年と比べて、輸出額が0.4%の微増だったのに対し、輸入額はマイナス24.6%と大きく減少したことが黒字の主な要因です。特に金属化学窯業製品などの原料の輸入額が前の年より30%以上減ったことが全体の輸入額を押し下げました。

輸出では食料品が過去最高額となりましたが、県などは2023年に福島での処理水放出を受け中国が実施した輸入禁止措置がなければ、輸出額はさらに増加していたとみています。

(県産業振興推進部 濵村佐知子さん)
「中国向けの規制が非常にネックになっているというところは大きい。これまで取り組みがなかった市場に、中国に代わるターゲット市場を拡大していくところが全体の輸出額を伸ばしていくポイントかなと」

県とジェトロ高知は中国に変わるターゲット市場として、アメリカやベトナムをメインに、外商活動の拡充に力を入れていく方針です。輸出額の中でも化学窯業製品と食料品が統計を取り始めて以降、過去最高となっていて、このうち食料品は、ユズや水産物などが上位を占めています。輸出額の中でももっとも大きい割合を占めたのが金属製品で、海外進出をする企業が増えたことにともなう電気部品の輸出増加が要因と考えられています。