清岡選手がレスリングを始めたのは、3歳。同じパリ五輪、女子レスリングで金メダルを獲得した櫻井つぐみ選手とともに、櫻井選手の父・優史さんから指導を受けました。
2023年、櫻井選手のパリ五輪の壮行会が開かれましたが、この時清岡選手は、まだ出場が決まっていませんでした。

■清岡幸大郎選手
「一番身近なところで言うと、それこそ櫻井つぐみが先に(五輪出場を)決めて、めっちゃ悔しくて…トップレベルの選手って、全員そうなんだと思います。どれだけ身近で、普段すごく仲良い人でも、同じ・高い目標を持っている以上は、『先に達成されてしまった、自分ができていないのに』という状況になると、すごく悔しくなると思います」」

悔しさをバネに掴み取ったパリへの切符。それは、海外まで応援に来てくれる母・えりかさんや、おととし12月に病気で亡くなった父・義雅(よしまさ)さん(享年47)に捧げるものでもありました。

■清岡幸大郎選手
「『自分が好きでやっていることを、母も好きでいてくれること』が、何より一番嬉しいと思います。父に関しては、亡くなってしまう前に僕が海外での試合で戦っている姿を見せることができなかったので…」

「常に近くで見守ってくれているとは思っているので、パリにも付いてきてもらって、1人で戦っているんじゃなくて、マットの上に一緒に立っているくらいの気持ちで。一緒に『一番高い景色』を見せることができたらいいなと思っています」
「本当にたくさんの思いを背負って、自分としても、応援を力に変えることができるので、期待を全て背負ってパリの舞台で戦っていきたいと思います」
金メダルを獲得した後、清岡選手はインタビューで、「(父には)一番高い所からの景色を見せることができたし、高く上がった日の丸を見つめて、いろいろと会話をしたい」と語りました。