ただ、そこで欲が出ないのが梅本さん。

「本当に変な話なんですけれども、川之江さんに逆転された時に心の中で『ホッ』としている自分がいたんですよね。あの時、私がもっと欲を出していたら・・・」

ただ、そんな自然体の雰囲気こそが、かえって川之石ナインの自主性を引き出し、この夏の快進撃に繋がったことは想像に難くない。
事実、この決勝でも2回表に3長短打で2点を先制したのは川之石。
直後の2回ウラには川之江打線に一挙6点を奪われ逆転されますが、川之石ナインは6回表に2点を返し2点差に詰め寄るなど“監督の想像を超える”粘りを見せ、最後まで戦い抜いたのだった。

結局7対4で川之石は敗れたが、この夏、夢のような5試合を戦い抜いた川之石ナインの勇姿は、ミカン山と宇和海に囲まれた愛媛県八幡浜市保内町民の心を1つに繋ぎ大いに勇気づけた。