理論上、わずか1グラムの「水素」から、石油およそ8トン分の電力が得られるとされる、究極の発電方式「核融合」。世界が夢見るこの技術。岐阜県土岐市の「核融合科学研究所」では、1998年から実験と研究が進められてきました。
そして2025年12月25日、研究所は、心臓部ともいえる「大型ヘリカル装置(LHD)」を用いた超高温プラズマを発生させて行う実験を完了したと発表しました。

核融合科学研究所のホームページより

この「核融合科学研究所」とはどのような施設で、そこで行われてきた基礎研究とは一体どのようなものだったのか、取材をもとに振り返ってみます。

大型ヘリカル装置・LHD

まずはこの施設の心臓部から。
核融合の研究を行う「大型ヘリカル装置・LHD」です。
直径およそ13メートル、重さ1500トン。
どこかSF映画の宇宙船のような雰囲気の装置、この中で「核融合反応」が生み出されています。