
こちらは遠野市の年中行事で作られ、門口や辻に立てて地域の人たちの1年間の無病息災を願うワラ人形「春風祭り人形」です。
疫病を祓い、豊年満作を願う人形です。この人形が遠野の人たちを病気や災難から守ってくれると伝えられてきました。

こちらは「イイズナ」。ニホンイイズナは青森、岩手、秋田に住んでいるイタチ科の動物です。ある時、遠野地域にイイズナを着物の中にしのばせた旅人が現れ、これから起こることを次々に予見してみせたことから、「イイズナは八卦見(占い)ができる」と評判になったという言い伝えがあり、遠野物語にも登場します。
遠野の人たちは商売で「どちらに売ったらよいか」などの判断をするときに、イイヅナに判断を任せるということがあったといわれています。

こちらは「家の守り神」。遠野市では住宅を新築する際、大工の棟梁が小さな御堂を作り、人形を鏡やクシ、髪の毛などと共に入れ、大黒柱の屋根裏部分などに打ちつけて家の守り神とする風習がありました。
家に降りかかる災厄を、この守り神が代わりに引き受けてくれるとして、遠野の人たちに信じられてきました。

地震をよけるためのまじないも存在します。
このように、遠野の人たちは生活の色んな場面で「まじない」を信じてきました。

遠野市立博物館の資料取扱事務員、佐藤夏穂さんは「遠野は厳しい自然条件の中にある集落なので、神社で祀っている神様以外にも、生活の中でさまざまな神様を作り、心のよりどころとして大事にしてきたのだと思います」と
話していました。

この企画展は11月24日(月・祝)まで、遠野市立博物館で行われています。