盛岡市は4日、市内の高齢者施設でダニの一種が人の皮膚に寄生して起きる病気「疥癬(かいせん)」の集団発生があったと発表しました。重症の人はなく、症状のある人はいずれも回復傾向にあるということです。

疥癬は、ダニの一種「ヒゼンダニ」が人の皮膚に寄生することで起きる皮膚の病気で、かゆみや発疹が主な症状です。
市によりますと、市内の利用者と職員計100人以上が在籍する高齢者施設から8月27日、複数の利用者と職員に皮膚のぶつぶつ(丘疹)、かゆみ・違和感、角質層が厚くなるなどの症状が出ていると連絡がありました。
8月19日から9月2日までに医療機関を受診した利用者21人と職員1人の計21人を調べたところ、このうち20人が感染力の弱い通常型疥癬、1人が感染力の強い角化型(かくかがた)疥癬だと確認されました。入院した人や重症者はなく、症状のある人はいずれも回復傾向にあるということです。
市内では個別に症状を訴える患者の例はありますが、集団発生は2008年4月に市保健所が開設して以来、今回が初めてです。
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疥癬は人から人への接触、寝具や衣類を介して感染します。早期の診断と治療によって完治しますが、治療が不十分だと再発や集団感染につながる恐れがあります。湿度が高いと繁殖することから、特に角化型疥癬の場合、洗濯物は乾燥機を使用したり50度以上の湯に10分以上浸した後に個別に洗ったりすることで予防できるということです。