「本態性振戦(ほんたいせいしんせん)」の最新治療とは

王さんが長年苦しみ続けているのが、体を動かそうとすると意志に反して震えてしまう「本態性振戦(ほんたいせいしんせん)」という病気。発症の原因は不明で、特に中高年に発症しやすいと言われています。その治療方法とは…。
(機能神経外科 中坪大輔 医師)
「脳の視床(ししょう)という所に千本くらいの超音波を集めることで、温度を上げて熱凝固する治療法になります」

活動過剰で震えの原因となる脳の場所を超音波で焼いて活動を抑えるのです。日本でも20ほどの医療機関でしか受けられない最新治療で、中国では、ほとんど行われていません。

治療前に王さんの今の状態を確認すると、ペンを持って検査用のシートに印刷された図形をなぞったり、名前を書こうとしても手が震えてうまく書けません。さらに向かい合った医師の指先を自分の指先を合わせようとしても震えがとまらず、うまく触ることができません。王さんの症状は重度でした。症状は果たして改善されるのか。

(機能神経外科 中坪大輔 医師)
「1回目の照射をします。この段階だと患者さんは何も感じないと思います。すごく弱いエネルギーなので」
1回の照射時間は20秒ほど。患者の状態を見ながら照射回数や温度を調整していきます。