安田さんは高台に逃げて無事でしたが、家の壁には津波の爪あとが残っています。

「大したことないわねって言っていたんだけど、帰ってきたらもう…」

津波は川をどのように遡上したのでしょうか?
関川の河口から約600メートルの位置に設置された北陸地方整備局のカメラの映像です。

地震発生からおよそ25分後に画面左側の下流から津波が押し寄せ、対岸に見える保倉川へも遡上している様子がわかります。遡上した津波は、住宅街に流れ込みます。この付近に安田さんの家がありました。

関川と保倉川の合流点付近では波しぶきをあげながら、津波が岸に乗り上げていました。

撮影した人
「かなり恐怖を感じましたね。こんなに短時間で津波が来るとは思わなくて…」

犬飼准教授は、地震発生から短時間で津波が襲ってくることが日本海側の特徴だと指摘します。

長岡技術科学大学 犬飼直弘 准教授
「(海が)陸地に比較的近いということで、発生した津波は早く陸地に到達するという風に考えられます。だいたい時速350キロくらい。新幹線ののぞみとか、ざっくり計算すると10分前後くらいで到達するくらいのスピードかなと」

また、平野が広がる新潟は「川を遡上することによる被害」にも注意が必要だということです。

長岡技術科学大学 犬飼直弘 准教授
「新潟県では勾配が緩いので、奥地の方まで津波が進んでいく可能性がある」

国土交通省 北陸地方整備局 高田河川事務所によりますと、関川ではおよそ5キロ遡上したとみられています。私たちは、津波の脅威について今一度考える必要があるかもしれません。