“甲子園”という目標がなくなった、あの夏
2020年、“夏の甲子園”が中止になるのは戦後初めてのこと。高校球児たちは大きな目標を失いました。

中越高校 当時のキャプテン 廣瀬航大選手
「目標である日本一を成し遂げたかったけど、それが実際にできなくて、本当に悔しい」
この年に開かれた独自の県大会で優勝したのが中越高校でした。あれから3年…
中越高校野球部の本田仁哉監督は、夏の甲子園の中止を選手たちに伝えた時のことを鮮明に覚えています。

本田仁哉監督
「甲子園を失ったときの、彼らの崩れ落ちる姿と涙する姿は一生脳裏から離れない。今でも鮮明に蘇る」
中越高校野球部のOBは卒業後、それぞれの進路を歩んでいます。中には、野球を辞めた人もいます。大石宏樹さんは現在、長岡大学に通う3年生。もう野球はやっていません。

大石宏樹さん
「独自大会が終わって優勝した瞬間に甲子園はなくなってしまったけど、ここまでチームでやってきた思いがあって、僕の中では『やりきった』という思いがあった。僕は高校で区切りをつけた。キャプテンだった廣瀬の涙をすごく覚えている」
学校や仕事などの関係でメンバーが揃いそうになかったため、一度はイベントへの参加を諦めたという中越高校野球部OB。それでも「入場行進だけでも参加しないか」と打診され、可能な人だけで参加することを決めました。