集落に戻った住民にも新たな課題がありました。
自宅に戻ったこちらの男性を悩ませているのは、敷地内に積まれたこの大量の『土のう』です。この土のうは去年の豪雨災害の際に、自宅敷地内の“のり面”が崩落する危険があるとして、村上市が応急的に積んだものでした。

「何個も積まれているんですけど、これが大体50~60個ありますね。撤去を市の方にもお願いしたんですけど、私有地なんでそれは個人でお願いしますと…」
待ち受けている、50個を超える土のうの撤去と、のり面を保護する工事。
村上市は「個人の敷地内の復旧は個人負担が原則」と回答。
そのうえで被災宅地の復旧にかかる市独自の補助金を活用してほしいとしました。
しかし市の補助金は、工事にかかる費用の半分かつ上限が100万円まで…。
業者に見積もりを頼んだところ費用はおよそ500万円。全て自己負担になります。

「市の方で積んでくれたんで、それはありがたいなと。積んでくれた時点で、当然撤去も市の方でやってくれるんだなと思っていました」
「やっぱり、費用の問題でちょっと頭を悩ましている」
「市の道路に面している部分もあるので、それの撤去も個人でやってくれとなると疑問に思うし、ちょっとおかしいなと」
「帰ってきてからのことも面倒見てもらえれば助かるなと感じていますね」
集落に戻ったとしてもすぐに日常を取り戻せるわけではありませんでした。