仮設住宅に住めるのは2024年の夏までだと、松本さんは言います。

今後は息子夫婦とともに村上市坂町に新しく家を建てる予定ですが…
「今まではみんな何もかも一緒だったけれど、今度は全然知らない人ばっかりだ。前向いても、横向いても、後ろ向いても、…知らない人ばっかりだからね」

3世帯のみが残った仮設住宅で、日課の散歩をしていると思いがこみ上げてきます。

「ほんとにこれでもう、小岩内ともお別れしなければと思うと、胸にくるものがあるね。これでもう終わりなんだ…」

新しい生活への不安と、長年住み続けた集落を離れる寂しさとが入り混じります。

「避難生活は賑やかでよかった。全然水害にあったという気がしなかった。集落の人がみんなで来たからね」
「やっぱ小岩内の方がいいね、静かだし。なんていうか、あんないい所はないよ」