【小岩内の自宅で笑顔を見せる 高野クミさん】
「我が家に戻った。ゆっくりとまず整理しなきゃね」
「やっぱり小岩内の人っていいですよね。仲良くみんなで頑張っていくしかない」
『収穫祭』では友人と笑い合い、優しくて思いやりのある集落の人が大好きだという高野さん。でも、笑顔の裏には複雑な気持に揺れる思いがありました。
「涙が出てくる。さみしくて…」
自宅に戻れた自分と、家が流されて集落に戻れない友人への思いです。

「これは本当に仕方ない。天を恨むしかないと(…涙)」
「もう大丈夫だって自分に言い聞かせて…」
しかし、集落に戻れたからにはと、高野さんは前を向いています。
「夜になると一人になるからちょっと寂しさはあるけど…、しょうがない。頑張っていく」

豪雨災害で日常を奪われた小さな集落。皆、ふるさとへの思いは一緒でした。
1年以上たってようやく、住民たちはそれぞれの道を歩み始めます。