【阿賀町有害鳥獣係 江花一実さん】
「波多野さんには技術と経験がありますので、サルを生きたまま捕獲し『動きをおさえて、首輪をつけて、すぐその場で放獣する』という…。非常に効率的にこのシステムの維持ができている」

阿賀町がサル対策で大切にしているのは、駆除ではなく電気柵の設置などによる“住民主体”の防衛です。
去年、サルの被害にあった遠藤佐さんの畑にも、電気柵が設置されていました。
設置の指導は、波多野さんの仕事のひとつでもあります。

【波多野健治さん】
「駆除ばかりしていても、被害がなくなることはない。農作物を食べにくるサルをどうにかするよりも、その食べ物自体をしっかりと管理しておけば、サルにとって“降りてくるメリット”がなくなる」
住民にとっも、専門家の波多野さんが町に常駐しているので、気軽に相談できる体制が整っています。
【遠藤佐さん】
「最初の設置はやっぱり専門家に指導してもらわないと素人には難しい。サルの習性はよく聞いておきたいですよね。どんな時に気をつけたらいいのかとか」
野生動物を相手にするには「住民と行政と業者が一体となった獣害対策が必要だ」と波多野さんは強調します。
【波多野健治さん】
「見つけた当人が、その場で一番すぐに動けるんですよね。住民自ら対策を行っている所と、業者や行政に任せてというニュアンスでやってる所とでは、その対策のレベルの差がものすごく違う」
実際に、波多野さんの取り組みによって被害が軽減した地域もあります。