実態が分からない…身寄りのない人の存在
身寄りなし問題研究会の須貝さんらが取り組んでいる、「身寄りなし問題」。“身寄りがない”とは家族や親族がいなかったり、いても疎遠だったり、遠方にいて頼れなかったりするという状態です。

高齢者に多い『身寄りなし問題』ですが、実態は分かっていません。
厚生労働省の高齢社会白書では、65歳以上の世帯は全国でおよそ2600万世帯。このうち、およそ3割が一人暮らしですが、頼れる親族などがいるかどうかは調査されていません。また、若くして身寄りがない人もいるとみられています。
身寄りがない人たちは様々な壁にぶつかることがあります。
【須貝代表】
「身寄りなしの問題は、要するに身元保証というところかな。身元保証がないとなかなか社会的に不都合なところが今の日本はかなり多いところに集約される」

第三者による身元保証がないことで起こる問題の一つが、アパートなどの賃貸契約です。
国土交通省が公開している賃貸住宅の契約書のひな形です。多くは契約の際に連帯保証人の氏名や緊急時の連絡先の記載を求めています。連帯保証人は契約者が家賃を滞納した場合に代わりに家賃を支払います。


この連帯保証人がいない場合の対応について不動産仲介業を行っている業者が私たちの取材に応じてくれました。
【不動産仲介業者】
「申し込み時に緊急連絡先の方がいて、あとは保証会社申し込んでもらいますからこれだけ保証料かかりますよ、みたいな話を最低でも申し込み時には確認すると思う」
実は新潟市では、多くの物件で連帯保証人が不要となっています。「家賃保証会社」を利用しているからです。

入居者は賃貸契約の際、家賃に応じた保証料を保証会社に支払います。もし入居者が家賃を支払えなくなった場合、保証会社が入居者に代わって大家に家賃を支払う仕組みです。大家にとってもメリットが大きいため、ここ数年、保証会社を使うことを入居の条件とするケースが増えています。
ただ、この保証会社に申し込みをする際には「緊急連絡先」が必要です。
【不動産仲介業者】
「緊急連絡先をそもそも立てられないという場合は保証会社に申し込みすらできないことになるので、連帯保証人が立てられるのであれば、そちらで契約するということもできる場合もあると思うが、連帯保証人も駄目、緊急連絡先も駄目ということになると、ちょっと契約は無理ですねということでお断りするケースがほとんどだと思う」
身寄りがない人にとって、賃貸契約には高いハードルがあるのです。最近では身元保証を代行するサービスも増えてきていますが、問題となるのは『お金』です。
【須貝代表】
「今、身元保証会社もあるのでお金があるとある程度解決できる部分もあるがお金がなかったり、ちょっと生きづらい、障害があったりすると、なかなか入居・入所・入院できないということが現状」
					









