ウイスキーブームと『はんこ』が置かれた苦しい状況
目を付けたのは近年のウイスキーブームでした。

国税庁によりますと、国内のウイスキー出荷量は、2007年度に7万4000キロリットルまで落ち込みましたが、ハイボールブームなどもあり、18年度には18万3000キロリットルにまで増加しました。
国産ウイスキーの一部商品は品薄となりプレミアム化するものも出てきています。

こうしたことを背景に全国で小規模な蒸留所が相次いで開設されていて、県内でも6つの会社がウイスキーの製造に乗り出すなど、ウイスキー人気は高まっています。
一方で…

【河野太郎 行政改革担当大臣(当時)】
「全体の99%以上ですが、1万4909種類については廃止を決定する、あるいは廃止の方向で準備をするということになりました」
2020年に国は各府省庁に対して、はんこを使った行政手続きの見直しを求めました。新潟県でも、はんこによる手続きのおよそ9割を廃止する方向で調整が進められています。

少子化・人口減少を背景に、もともと『はんこ』の需要は減少傾向でした。
そこに新型ウイルス蔓延をきっかけにデジタル化へ拍車がかかり、『脱はんこ』は急激に進んでいます。
【新潟亀田蒸溜所 堂田浩之社長】
「新型コロナウイルスの影響でテレワーク等々の推奨によって、なかなか需要というのは…。急激に下がってはいませんが、やっぱり前年対比で10%から15%ぐらいの減少というのが実情です。少子化の影響もあって…。印鑑っていうのはどうしても海外ではなくて内需消費型産業なので、そういった少子化の中で将来的に需要が減ってきたときに、従業員の雇用を守るために、何か新しいことをやった方がいいということで」