新潟県で『冬』の原発事故を想定した初めての大規模訓練が2日間にわたって行われ、住民およそ500人が参加し、原発事故と地震と大雪とが重なる『複合災害』への対応を確認しました。

24・25日に行われた新潟県の防災訓練では、雪の積もる冬場に、地震によって、東京電力の「柏崎刈羽原子力発電所」で“重大な事故”が起きたことを想定して行われました。

このうち、3mの雪が積もることもある豪雪地域の上越市大島区では、雪崩で孤立集落が発生したことを想定し、自衛隊が雪でふさがった道路を除雪して避難路を確保しました。

【上越市民】
「一番心配なのは、雪崩が起きたり、雪害がどうなるか…」
「こうなったときに自分たちはどうしていくか、みんなで話し合いながら考えていかないといけない」

大雪と原発事故とが重なって民間事業者による除雪が難しい場合には、自衛隊に出動を要請する方針を国は示しています。
ただ、住民からは「地域の道路事情に詳しくない自衛隊が本当に除雪できるのか」といった不安の声も聞かれました。

【新潟県 花角英世知事】
「自衛隊はきちんと対応できていたし、そういう意味での信頼感、頼りがいは感じたところ…」

【柏崎市 桜井雅浩市長】
「いざというときの、除雪に関する人材の確保や民間事業者の協力をどう得られるかに関しては、国とも話し合いをさせていただかなければならないかなと…」

【柏崎市民】
「きょうは雪がなかったのでスムーズに行動できましたけども、降雪のときや悪天候の場合は大変だなとは思いました」
「たとえば『ここに避難しなさい』と言われても、雪崩で道がダメと言われた場合に変更ルートが果たしてわかるかどうか…。簡単に標識が出るわけではないし」

花角英世新潟県知事は、「いろいろなケースを想定して訓練を積み重ね、対応力を上げていきたい」と話していました。