新潟県立新発田農業高校を卒業後、“日常を彩る花”に魅力を感じて栽培を始めた脇坂裕一さんがはじめに育てていたのは、もちろん観賞用でした。
エディブルフラワーの栽培は、13年前に東日本大震災の被災地で行ったボランティア活動がきっかけになったそうです。

「震災が起きて、建物が流された荒れ地に土を見つけて、そこに花を植える活動をやったんですよ…」

津波で壊滅的な被害を受けた岩手県大槌町に何千株もの花の苗をトラックで運び、多くの建物が跡形もなく流された土地に住民とともに花を植えた脇坂さん。
住民からの喜びの声を聞きつつも、ある葛藤が生まれました。

「災害とか、人が困ったときに、花なんか食えないし…。『花って必要なのか?』って悩んじゃったんですよね」
