言いようのない無力感にさいなまれたという脇坂裕一さん。
しかし、ボランティア仲間の言葉が脇坂さんの光になりました。

「震災が起きた直後は『生活物資』が求められる。でもそういうのが行き渡った後に一番必要なのは“癒し”じゃないですか?って…」
「帰ってきて、いろいろ悩んで…。その時に、『花を食べればいいんだな』って」

こうして、2011年から本格的にエディブルフラワーの栽培をスタート。
今では年間を通じて30種類ほどを新潟県内外の飲食店などに出荷し、文字通り『料理に“花”』を添えています。

そんな脇坂さんの長年の夢が実現したのが、カフェ・SOEL(ソエル)です。

「ここの目的は人とのコミュニケーション。人が集まる場所にしたかった」
「今、なかなか大変な世の中じゃないですか。安定しているように見える人でも、何かしらの不安とか苦しみとか抱えているのが普通なので…」
「人としゃべるっていうのが、一番の薬」

新潟県阿賀野市の五頭連峰と田園風景をのぞみつつゆったりとした時間が流れる店内でいただく、地元産の材料にこだわったスイーツと淹れたての紅茶やコーヒー。

そして、そこに添えられた花の色彩が、お客の心を癒してくれます。

「花のスイーツが出てきたときにはきっと喜んでくれるだろうから、まずそこで解れてもらう。そこから、何か聞きたいことや話したいことがあったときに自然に話せる…」