岩室温泉は新潟県内の芸妓発祥の地。江戸時代からの伝統が現在も続いています。50年ほど前には100人が在籍していて、朝から晩まで大忙しだったそうです。しかし…

芸歴約25年 やなぎさん
「全然昔のほうが良かったですよ。毎日のように仕事があった。休む暇もなく…」

芸歴約25年 ゆりさん
「お客様の人数はもちろん減りましたし、お座敷も減りましたしね。それと同時に芸者の人数も減った」

時代の変化に伴ってお座敷の数が少なくなり、100人いた芸妓は4人にまで減りました。稽古をしているこの場所は『置屋(おきや)』と呼ばれる芸妓の事務所ですが、当時はこの『置屋』が岩室温泉だけでおよそ40件もあったそうです。

芸歴約25年 ゆりさん
「入ったころと今では比べ物にならないくらいですね、差が。(当時は)月に4日休みをもらえるんですけど、それも休めないくらいだったのが、今は休みのほうが多いですし…」

10年ほど前から踊りや唄を教える“師匠”はいません。今は、以前イベントで踊ったときのDVDを見て、動きを確認しています。

なり手不足が深刻な岩室芸妓。この現状を打開するため、そして江戸時代から続く伝統を後世に残すため、新たな試みに挑戦しています。