「拡張型心筋症」となった4歳の娘… 入院当日に医師から「今夜が山場です」

娘の名前は優希ちゃん。「優しい子に育ってほしい」との思いから『優』という文字とお母さんの名前から「希望」の『希』という文字をもらって名付けられました。名前のとおり優しく、すくすく成長していましたが、4歳の頃、風邪のような症状とむくみなどがみられ病院へ連れていくと「拡張型心筋症」と告げられます。心臓の筋肉が伸びてしまい血液を送り出せなくなる難病で助かる方法は心臓移植しかありませんでした。

白木大輔さん
「当時、国内では片手くらいしか心臓移植の症例がなく、入院した当日、医師から『今夜が山場です』と告げられました」
国内で脳死状態での臓器提供ができるようになったのは「臓器移植法」が施行された1997年の10月です。2010年には法律が改正され15歳未満の子どもも家族の承諾があれば臓器提供ができるようになりました。しかし、これまでの13年間で子どもからの臓器提供は77件。このうち6歳未満は29件です。これに対して心臓移植を待っている子どもは8月末現在で65人となっています。

日本では提供者=ドナーが少ない現状は法律が改正されても変わっていません。それほど子どもの臓器提供は家族にとって重い決断なのです。