こうした再利用の瓶を積極的に導入しているのが弘前市の「三浦酒造」です。全国で人気の銘柄、豊盃などを醸造しています。

瓶の再利用を始めた三浦酒造

※三浦酒造 三浦文仁専務
「(以前は)新瓶をうちでは95%ぐらい使っていましたが、今はリサイクル瓶に切り替えて瓶詰めをしていますが、リサイクル瓶もなかなか集まらないので入ってこないという実情です」

そこで5月4日から始めたのが一升瓶の回収でした。店の前に専用のコーナーを設けて客に協力を求めたところ、これまでに300本以上が寄せられました。傷や割れがないかなどを確かめながら洗浄して使います。

※三浦酒造 三浦文仁専務
「今ある一升瓶をできるだけリサイクルとして回していかないと、この先一升瓶という商品がなくなってしまう可能性があるので、世の中からなくさないように協力いただければと思います」

地酒の販売環境はコロナ禍から徐々に回復し始めていますが、酒蔵は一升瓶の供給不足という新たな課題に向き合うことが迫られています。

入っている酒の量と値段を考えると、一升瓶は4合瓶より割安です。それでも核家族化が進んだうえ、いろんな銘柄を少量ずつ楽しみたい人が増えていました。このため、コロナ禍前から一升瓶の生産数は減っていました。ただ、4合瓶は1回使ったら資源回収してもう一度製品を作る必要がありますが、一升瓶は洗浄すれば再利用できるのが利点です。消費者の嗜好の変化はありますが、一升瓶は買ったらぜひ回収してもらうよう、酒店や酒蔵などでは呼びかけています。