2月4日の「立春」が過ぎて暦の上では「春」を迎えていますが、まだまだ青森県内の季節は冬。でも実は、今から待ち遠しい桜の開花には、冬の寒さが欠かせないのだといいます。そのワケとは?



この寒さ厳しい冬を乗り越えれば季節は春。桜が咲き誇り、青森県内各地で多くの人たちが花見を楽しみます。まだ年が明けたばかりの1月からさまざまな気象情報会社が全国の桜の開花予想を発表しています。

こちらはウェザーニューズが2月2日に発表した予想。青森市のソメイヨシノの標本木、全国有数の名所・弘前公園のソメイヨシノともに開花予想は4月17日。平年に比べると5日早くなっています。

2023年は1月下旬に青森市で最高気温が0℃に届かない「真冬日」が1週間続くなど、厳しい寒さに見舞われましたが、なぜ桜の開花は平年より早いのでしょうか。気象予報士の吉田さんに聞きました。

※吉田篤 気象予報士
「(桜は)秋になると葉っぱを落として、花芽はいったん休眠状態になります。そして冬にかけて寒さが厳しくなることで花芽は眠りから目を覚まし、開花の準備を始めます。いわゆる“休眠打破”と呼ばれるもの。ですので桜の開花には、冬の寒さが必要ということになるんです」

桜の花芽は冬の5℃前後の寒さで眠りから目を覚まし、開花の準備に入ります。これを“休眠打破”といいます。冬が暖かすぎると春先の気温が高くても開花が遅れることもあり、桜にとって寒さは大きなポイントとなっています。

こちらは青森市の桜が開花した日が早かった順番です。観測史上1位は2021年の4月13日。実は2021年1月の平均気温は青森市でマイナス1.9℃と過去10年では最も低く、寒~い冬となり、「休眠打破」が順調に進んで春を迎えました。

※吉田篤 気象予報士
「記録的に(開花が)早い年は、3月4月の気温が高いというのが特徴なんです。(平均気温が)5.4℃の3月、観測史上最も高い気温となっています。その後4月も9.0℃と平年よりは高い気温で推移しましたので、どんどん花芽が成長して記録的に早い開花となった」

気象庁の最新の3か月予報では、3月4月の東北地方の気温は平年並みか高めに推移する見込みで、2023年は平年より早咲きとなる条件がそろっています。