
なぜ、このように年齢で聞き取り具合に違いがあるのか。この謎の答えを求めて訪ねたのは、弘前大学大学院医学研究科の松原篤(まつばら・あつし)教授です。

※弘前大学大学院医学研究科耳鼻咽喉科・頭頸部外科 松原篤教授
「どんなに耳がいいと思っている人でも、年をとってくると高い音から(聞こえ具合が)悪くなってくる。」

その原因は「加齢による耳の老化」

音は、空気の振動として耳の穴へと入り、鼓膜や蝸牛(かぎゅう)を通って電気信号に変換されて脳へ伝わることによって聞こえます。

「蝸牛」はその形から「かたつむり管」、「うずまき管」とも呼ばれ、「有毛細胞」という音を感じる細胞がたくさん並んでいて、入り口(いりぐち)のあたりの細胞が“高い音”を奥の方が“低い音”を感じて音を聞き分けています。

※松原教授
「年取るとやられるのは高い音。こういう(蝸牛の)入口のあたりからやられる。どんな人でも少しずつやられていきます。多少の差はあるが」

年齢とともに蝸牛の入り口の細胞からどんどんダメージを受けていき、高い音から順に少しずつ聞こえにくくなっていきます。このように年齢が上がるにつれて聞こえなくなる現象は「加齢性難聴」と呼ばれています。