2021年に預けられた時計も翌年に売却か

実態を調べようと、自ら動き出した人もいます。時計バイヤーの北澤さん。預けた時計の一部がまだ戻ってきていません。北澤さんは、警察に捜査をしてもらいたいと、預けた腕時計が戻ってきていない人の集計作業をおこなっていました。

北澤さん
「概算ではあるんですけど、人数で100名は超えています。私が把握しているだけでも今、10億円あります。許せないですね」
北澤さんは時計バイヤーとして業者間で利用されている取引サイトや、海外の売買サイトなどで預けた時計が売られていないかの確認もしています。

北澤さん
「例えばこちらのシリアル(ナンバー)を検索すると、2021年に預けた時計が、なぜか2022年に売却されているんです。何本も売られているので、すぐに捜査していただきたいです」

私たちの取材では、他にもブランド品販売店でトケマッチに預けた腕時計と同じシリアルナンバーの時計が売られていたこともわかっています。こうした事実があるのか、トケマッチ側に聞きましたが、回答はありませんでした。この問題について、弁護士は…

エジソン法律事務所 大達一賢弁護士
「まず、“時計が返ってこない”というところが確定しているわけではないので、現時点において刑事上の問題が生じるという話ではないと思います。ただ今後の展開で、例えばかなり以前から、そもそもサービスを運営できるような状況でなかったにも関わらず、時計をかき集めていたという状況が明らかになった場合には、刑法上の詐欺罪が成立する余地というのも出てくるんじゃないかなと思います」