「こころが男性どうし」のふうふが、子どもを授かる…。NEWS DIGでは、ちかさんときみちゃん、そしてきみちゃんのおなかに宿った羅希ちゃんの姿を通して、性別によって変わらない、人の心について考えてきました。(全4回/第1回第2回第3回第4回を読む)

マタニティフォトの撮影(左からきみちゃん、ちかさん)

「僕たちの生き方を伝えることで、ひとりでも多くの人が生きやすい環境をつくることにつながっていけばいい」

 そう話す2人の姿は、社会で「LGBT」という言葉は広まっていても、それぞれの人としての理解はまだまだ進んでいなかったんだ、という現実に、気づかせてくれたように思います。そして、「LGBT」というひとつの言葉でくくっていいのかな、 という疑問も湧いてきました。

「LGBT」「LGBTQ」「LGBTs」「性的少数者」…ニュースで使われる色々な言葉の中から、みなさんも聞きなじみのある言葉を無意識に使うことがあるのではないでしょうか。しかしその言葉の中には、当事者を傷つけたり、理解から遠ざかったりするものがあります。

 きょうはシリーズの番外編として、ちかさんときみちゃんの出会いの場であるバー「7丁目のパウダールーム」の店長・満島てる子さんが、当事者の本音に迫ります。

満島てる子さん

 皆さんこんにちは、満島てる子です。普段は「7丁目のパウダールーム」というバーで働きながら、さっぽろレインボープライド実行委員会という、札幌市でLGBTQパレードを開催している団体の副実行委員長も務めています。

 今回は、セクシュアルマイノリティのいち当事者という視点から、「LGBT」「SOGI」といった言葉やその使われ方に関して、思うことを記していこうと思います。

 またこの執筆にあたり、「メディアや社会でどんな言葉が使われるべきか、言葉とともにどんな理解が広がってほしいか」といった話題について、ちかときみからに加えて、これまで報道陣からの取材を受けたことがある当事者の方々からも、考えを聞く機会をいただきました。

 このあと、そのヒアリングの内容を中心的に紹介しながら、今後どんな発信が社会になされるべきなのかを考えていくつもりです。