土砂崩れで牧場が孤立 「牛乳を全部廃棄。いったい何してるんだろうって」
珠洲市にある牧場では、牛舎の柱が傾いてしまいました。

松田牧場 松田徹郎さん
「全頭放牧しようとしたが、嫌がって出なかった牛が3頭いまして。
地震で怯えちゃって」
牛舎は4つありますが、この牛舎は取り壊すしかないといいます。牛の飲み水は湧水でしのいでいますが、断水のせいで搾乳器などが洗えず、牛乳を出荷できません。

松田牧場 松田さん
「今は牛乳を全部廃棄しています。いったい何してるんだろうっていう気になります」

隣の牧場はさらに被害が大きいといいます。土砂崩れで道路は寸断し、倒木や岩、なぎ倒された電柱を超えて30分ほど歩くと、倒壊した牛舎がありました。

約30頭いた牛は、下敷きになったといいます。母牛と子牛とみられる2頭が生き残っていましたが、牧場は土砂崩れで孤立。連れ出すのも危険な状態です。
能登地域では、農業分野を中心に甚大な被害が出ていて、まだ被害の全体像すら見えていません。松田さんは、売り上げの大部分に貢献している乳牛は全て売り、「和牛の繁殖だけでしのぐ」といいます。

松田牧場 松田さん
「本当はしたくない決断ですが、しょうがないですね。夢を持ってはじめたので、なんとかここで踏ん張ってやっていこうと思います」