「京アニがしたことは不問ですか」持論展開も…

最愛の妻・寺脇(池田)晶子さんを失った夫も遺族として裁判に参加。しかし、当初は予想もしていなかった感情に襲われたという。

寺脇(池田)晶子さんの夫
「 内容的につらいのは当たり前であって、名前を呼ばれるだけでものすごくつらい。“寺脇晶子”の名前だけとっても、思い出がぶわーっとよみがえる。厄介なことに良いことしか思い出せない、ものすごくそれがつらい」

法廷では遺族らが自らの子と対面した際の想いなども語っている。

兼尾結実さん(当時22)の母親
「前歯の形で結実だとわかりました。『熱かったね』と頬ずりをしてキスをしました。『もう子供じゃないんだから』と嫌がったと思いますが、許してくれたと思います」

笠間結花さん(当時22)の母親
「結花へ、今どこにいるの?天国にいるのかな、あの楽しかった日々に戻りたい。小説ごときで娘は殺されたのでしょうか。死刑以外考えられません」

遺族らに対し、青葉被告は謝罪した一方で、持論を展開する場面も目立った。

青葉被告
「私の小説をパクったりしたことに京アニは良心の呵責もなにもなく、被害者という立場だけなのでしょうか。自分は罰を受けなければなりませんが、京アニが私にしたことは不問なのですか」

2023年12月、検察は論告で「日本の刑事裁判史上、突出して被害者数も多い」などと指摘。妄想については「影響は限定的」とし、死刑を求刑した。一方の弁護側は「青葉被告は妄想の世界で生きていた」とし、心神喪失で無罪または刑の減軽を求めた。

裁判員らは青葉被告の“妄想”をどう評価し、結論を導き出すのか。注目の判決は1月25日に言い渡される。