星浩さん「35年前の政治改革大綱を一番守っていないのは岸田総理」

小川キャスター:
そもそも派閥解散とおっしゃいますけれども、本質的に派閥というのは解散できるのでしょうか?

TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
今の憲法では、衆議院で多数をとった人が総理大臣になるということになっています。

そうすると総理大臣を目指して各党のなかでトップになる、自民党でいえば総裁になるというので多数派工作をするわけですから、それに向けて派閥という名前なのか、グループという名前なのか、政策集団という名前なのかは別として、いろんなグループができることは、今の制度上は避けられないところがあります。

ただし派閥、グループがお金集めしたり、人事をごり押ししたり、そういう弊害は除去しましょうというのが35年前の自民党の政治改革大綱ですし、それは基本的にはみんな守るべきだといってやってきてはいるんですよね。

藤森キャスター:
35年前の1989年、改めてよくお話に出ますが、すでに自民党は当時、政治改革大綱というものをまとめていました。

派閥解消への決意、それから派閥パーティー開催の自粛を徹底すると。さらには総裁や幹事長、閣僚など、在任中は派閥を離脱しましょうと、ここまで決めているんですよね。

TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
実はこの政治改革大綱をよく読んでみると、なかなかよくできているのですが、これを一番守っていないのは岸田総理自身です。

なぜかというと、たとえば岸田さんは外務大臣とか政調会長をやっているのですが、そのときも離脱していません。総裁・総理大臣になったときも派閥を離脱していない。

加えて、ちょうど1年前に菅前総理が「岸田さんは派閥をやめたほうがいいんじゃないですか」と雑誌に投稿していたのですが、そのときも全然耳を貸さなかったということで、派閥離脱というのを岸田さんはまったくやっていませんでしたし、実は岸田さん自身も、派閥大好き人間なんですね。

そういう岸田さんが、こういう形で派閥やめようぜと突然言っても「ああ、なんかこの人、自分の保身のために言ってるんじゃないか」ということで、自民党のなかでは信用されていないというのが現実だと思います。