岸田総理の人事は本当に“適材適所”だったのか…派閥の弊害とは

藤森キャスター:
2021年に自民党役員人事を発表したあとの発言で、岸田総理は党役員人事の狙いについて聞かれ、「あくまで適材適所という観点で選んだ」と強調しました。
「派閥の色分けなどいろいろなことを言う人もいると思うが」、つまり派閥の問題を指摘されてはいるんだけれども、ここは「説得力ある説明を行っていきたい」と。こういうところに滲み出ていますね。
プチ鹿島さん:
この2年あまりの岸田さんの政治の進め方って、まさに派閥に気を遣って政策もやってきたし、人事もやってきたし、派閥から送り込まれた推薦された人をやっているから、適材適所でもなかったということになって、その人が派閥解散というのもおかしいと思います。
あとやっぱり、30数年前の話ですね。ここちゃんと言っておきたいのは、あのころ政治改革の話もしていたんですけど、いつの間にか選挙制度を変えれば政治は変わるっていう論調が、かなり大勢を占めた。僕、覚えているんですよ。
今も政治とカネの話なのに、派閥を終わらせれば政治はよくなるみたいに、すり替えが行われていると思うんですけど。
TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
私もそれを心配したんですけれども、この支持率をみると、どうやら国民のほうは「今回は騙されないぞ」というところがあって、そこはむしろ有権者のほうが健全な物の見方をしているのかなという気はします。

プチ鹿島さん:
岸田さんといえば解散を匂わせる人ですから、いろんな解散を匂わせているのかなって思ってしまうんですけどね。
小川キャスター:
ですから派閥解散といっても、ほとぼりが冷めたころには元の木阿弥という、新しい派閥もどきのようなものが始まってしまうのではないか。
TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
実際に今でも、たとえば安倍派のなかでは福田達夫さんを中心にいろいろ30人ぐらい集まろうやとか、二階派のなかでも武田良太さんを中心に集まろうやという動きが実際に出ています。
本当に派閥解消といっても、“言うは易し行うは難し”ということだと思いますね。
プチ鹿島さん:
たとえば派閥をなくして、じゃあ自民党はそれでやっていきますとなったら、むしろ人気のある首相とか人気のある政治家にみんなどどーっと乗ると、党中央の存在力がまた大きくなるから、それはそれでちょっと危ないのではないかと思うんですけど…。
TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
派閥というのは一種のショックアブソーバーというか、1次予選みたいなもので、派閥のリーダーになること自体で少し力をつけていくというシステムを自民党は実際に取っています。
プチ鹿島さん:
よくいえば疑似政権交代を…最近はないと思うんですけど、そういう緊張感はありましたよね。
TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
昔は保守派の派閥とリベラルの派閥があって、そこでいろいろ競い合うということもありましたけれども、実際はそれも、最近は安倍派一強という流れでなくなってきたという現実もありますね。
プチ鹿島さん:
そこまでの派閥論をやってほしいんですよね。
小川キャスター:
裏金問題の本質はどこにあるのか。これを変えるという本気度が問われていますよね。