語ったのは、震災の教訓です。東日本大震災で壊滅的な被害を受けた、岩手県陸前高田市の復旧・復興に10年以上にわたり努めた前市長が自身の体験や教訓を伝えました。

20日、島根県松江市で開催された防災安全講演会に登壇したのは、岩手県陸前高田市の前市長・戸羽太さんです。

市長就任からわずか4週間後に東日本大震災が発生。街は津波にのまれました。

岩手県陸前高田市 戸羽太 前市長
「ハザードマップ、要は(陸前高田市にあった)酔仙酒造の手前まで津波が来ますよというデータをみなさんにお渡ししてたんですね。それがどうなったかって言うと全部やられました。屋根の上に何人か人が乗ってますが、そのうちの1人が私であります」

陸前高田市は甚大な被害を受け、死者・行方不明者が1700人を超えました。

戸羽さんは12年にわたり復旧・復興に努めてきた中での、自身の体験や教訓を伝えます。

岩手県陸前高田市 戸羽太 前市長
「津波も絶対くるなってみんな分かってた、だから訓練通り、市民会館に逃げよう、市民体育館に逃げようってみんな逃げてくださった。でもその建物はすべて水没したんですね。どこでも様々なハザードマップって出されてると思います。でもそれを鵜呑みにしたらダメなんです。もっと来るかもしれない、もっと危険かもしれないと頭の中で考えていただかないと絶対に対処できないです」