地震発生から約3週間。被災者の多くが住み慣れた地から離れることに不安を抱え2次避難が進んでいないのが実情です。こうした中、長期化する避難所生活の運営支援に、青森市の災害支援団体の代表が当たりました。現地で感じた課題とは…。
青森市の小山内世喜子さん。防災や復興活動に取り組む一般社団法人「男女共同参画地域みらいねっと」の代表理事です。
小山内さんは石川県穴水町で1月15日から4日間、愛知県の団体に加わり避難所の運営支援にあたりました。
男女共同参画地域みらいねっと代表理事 小山内世喜子さん
「物資はどんどん届くんですが、それがちゃんと被災者の1人1人のニーズにこたえることができないでいるのが現状だと思いました」
人口7000人ほどの穴水町では、1500人を超える町民が避難を続けていて、19日現在も39箇所の避難所が開設されています。小山内さんは、このうち2箇所の避難所でプライバシーを確保するための仕切りの設置や、段ボールベッドの制作など居住環境の整備を図るための活動に取り組みました。
小山内さんは、これまでの自身の団体で培った知見を提供できた半面、トイレの環境など現実の生活環境は想像を超えるものが多かったといいます。
断水が続いているためトイレ環境は一度使い方を間違えると、衛生面で非常に問題があることや、更衣室がないために布団の中や半壊した住宅に戻って着替えをしたと被災者から話をきくこともありました。
男女共同参画地域みらいねっと代表理事 小山内世喜子さん
「地震とか津波、家屋の倒壊から助かった命がその後の劣悪な環境改善しないがために命を失うことは悲しいことだと思う。それはみんなの協力で回避することができる」
こうした環境を少しでも改善するためには自治体の職員や地域の人の防災意識を高めるとともに、日ごろから災害発生時に支援を受け入れる体制を築くことの重要性も指摘します。
男女共同参画地域みらいねっと代表理事 小山内世喜子さん
「平時からの人とのつながりがないと入りたくても入れない。地域の人が力をつけることが大事だし、外部の支援者を力を借りるすべを持つことが大事」
小山内さんは2月1日に地域みらいねっとのメンバーとともに再び穴水町で支援活動を行う予定です。