百貨店を“フロアまるごと水族館”“サウナ付き高級ホテル”に デパートの生き残り戦略

良原キャスター:
今の時代に生き残っていくための全国の百貨店の取り組みをみていきます。
“ダウンサイジング”に勝機を見いだした百貨店があります。
甲府の百貨店「岡島」は2023年3月、近隣の商業施設に移転しました。売り場面積を約4分の1に縮小し、光熱費などの固定費を大幅カット。来店者数は平日、移転前と変わらず黒字をキープできているということです。
さらに、ディオールやシャネルなどのコスメブランドを中心に、百貨店ならではの客層に変化が及んでいるということなんです。
「岡島」が移転する前の商業施設「ココリ」には、アニメグッズ専門店やアミューズメント施設などが入っていました。元々来ていた高校生などの若者のお客さんが、デパート「岡島」にも増加したという傾向があったということでした。

続いて、松坂屋・静岡店は、なんと2022年に7階フロアをすべて水族館にリニューアルしました。約150種類、2500匹を展示しています。
どうして水族館にしたのでしょうか?
松坂屋静岡店の担当者は「独自性を打ち出し、従来のイメージを脱却して、幅広い客層にアピールしたかった」「若いファミリーなどに人気で、活気ある百貨店に変わりつつある」としています。
ホランキャスター:
まさに中身をどう変えていくかという部分ですよね。
若新雄純 慶応大学特任准教授:
“昔ながらの”という部分がワンフロアだけだとしてもいいですから、そこは語り合える場所になっていると思うんです。一方で、お店はちゃんと採算が取れないと生き残れないわけですから、地域の人も“こんなんじゃなかったんだ”じゃなくて、“こんなふうに変わっていくんだ”という変化を面白がっていかないといけないですよね。
良原キャスター:
そして、百貨店にホテルを併設したというところもあります。

2021年にリニューアルした松山三越(愛媛)です。全客室にフィンランド式サウナ付きの高級ホテル「HOTEL LEPO CHAHAL」が開業しました。
実はNスタのスタッフが泊まったということなんですが、デパートの中で取り揃えられるので、お土産がとにかく買いやすかったということです。
日比麻音子キャスター:
アクセスしやすいところにあるでしょうから、この手があったかという感じですね。
若新雄純 慶応大学特任准教授:
建物の外観が気に入っている人もいるからね。そして、その中に泊まれるんだみたいな。歴史的な駅舎をホテルにしたというケースもありますから、すごく良い案ですよね。