避難生活で募る不安 「とにかく電気が来てほしい」
今も多くの人が孤立する輪島市の鵠巣地区。この地域では、避難所に行かず、自宅で生活する住民も少なくない。
記者(11日午後5時すぎ)
「午後5時を回ったところです。鵠巣地区の山側の集落に来ました。まだ電気が通っていないため、真っ暗な中で避難生活をしている人もいます」
記者
「失礼します。ごめんください。大変なときにすみません。お邪魔します」
暗闇の中で、布団にくるまっていたのは70代の麻窪さん夫婦。
自宅は倒壊を免れたが、今も電気や水道は通っておらず、6畳ほどの部屋で、ランタンの明かりを頼りに暮らしている。
Q.寒くはないですか?
麻窪泰彦さん(76)
「今のところはストーブ焚いていれば大丈夫」
暖房はストーブ。食事はストーブでお湯を沸かしてカップ麺を食べたり、正月用に買い溜めした野菜を茹でて食べたりして、何とか食い繋いでいるという。
Q.体調は大丈夫ですか?
麻窪泰彦さん
「体は今のところ大丈夫で、陽が出て暖かい時は表に出て暖まっている」
Q.どうして避難所には行かずに、こちらで生活しているんですか?
麻窪泰彦さん
「避難所に行っても皆さんの話を聞くといっぱいだし、俺、騒がしいところ嫌いやもんで」
Q.金沢に避難生活という話も出てますけど、ここにいらっしゃるんですか?
麻窪泰彦さん
「向こう行っても結局ずっと居られるわけじゃないでしょう。結局はどこか住むところを探さないといけない」
先の見えない避難生活で、不安は募る。
麻窪泰彦さん
「無理してあまり体力を使わないようにしている。体力もつかどうか分からないから。とにかく電気が来てほしいね」