長野県天龍村で、室町時代から伝わる「坂部(さかべ)の冬祭り」が、4年ぶりに通常開催されました。
祭りの担い手が年々減少していくなか、新たな世代が伝統を受け継いでいます。


天龍村の坂部地区で4日から夜通し行われた「坂部の冬祭り」。

五穀豊穣や健康などを願い、室町時代から600年近く続く伝統の祭りです。

コロナ禍による中止や規模縮小を経て、4年ぶりに制限を設けずに開催。

県の内外から見物客も訪れ、静かな集落は久しぶりににぎやかな声に包まれました。


祭りでは神子(かみこ)と呼ばれる住民たちが、煮えたぎる湯の釜の周りで伝統の舞などを披露します。

そのうちの1人、松川友哉(まつかわゆうや)さん・36歳。

2023年の秋に、神子になったばかりです。

松川友哉さん:
「ありのままで舞いたいと思います」

祭りには松川さんの長男・晴哉(はるや)くん6歳も参加、親子で初めて伝統の祭りに挑みます。

本番前日。

神子たちが神社で祭りの準備に追われていました。

飯田市出身の松川さん。

10年ほど前に高校の同級生に誘われたことがきっかけで、祭りを見学するうちに愛着が湧き、3年前に一家で天龍村に移住。

現在は、地域おこし協力隊として村のキャンプ場の管理などを行っています。


松川友哉さん:
「人数は少ないが、それでも皆さんよくしてくれるので、家族で本当に楽しく過ごせている。(祭りを)やられている方々が本当に皆さん魅力的なので、一緒にいて元気をもらえる。それが祭りにも出てくると思う」

年々、神子の数も減少していて、神子が増えるのは実に9年ぶりのことです。