
武本クリニック 武本祐 院長
「『誤嚥性肺炎』こちらが懸念されるかなというふうに考えています。ご高齢の方ですとか、飲み込む力、嚥下機能と言いますけれども、こちらが低下した方が起こり得る肺炎で、免疫力が低下した方ですとか、体力が低下した方、このあたりの方は注意が必要かと思います」
誤嚥性肺炎。
唾液や食物などとともに、誤って細菌が気管などに入ることで発症するもので、重症化すると命の危険に関わります。
ときわ病院(兵庫県三木市)の足立了平歯科医師は、被災時の誤嚥性肺炎には”口内ケア”も関わってくると話します。
ときわ病院 足立了平 歯科医師
「地震災害時は水はかなり不足します。非常に貴重な水ですので、それを使って歯磨きをしたりとかができないので、口の中がずいぶん汚れた状態で生活をすることになります。
そして、歯周病の菌というのは、結構悪玉、つまり毒性の強い菌が混じっているんですね。これを飲み込んでしまうと非常に治りの悪い、重症の誤嚥性肺炎を起こしてしまうと言われています」
1995年に発生した阪神・淡路大震災の際、圧死や焼死など直接的な原因ではなく、震災に関連して発症・増悪した内部疾患によって死に至る「関連死」としては、「肺炎」が特に多かったと足立医師は指摘。
年代は高齢者が多く、極端な水不足から口内ケアができず、慣れない避難所生活で免疫力低下も重なり、肺炎を引き起こしたのではないかと、推測しています。

今回のような大規模な地震の場合、水や食料、そして歯ブラシなどの物資は避難所に届くまで時間を要するため、口内ケアまでできない可能性もあります。
その場合、どのように口内環境を整えれば良いのでしょうか。