地震発生から3日。閉じ込められた人などの生存率が大きく低下する72時間が過ぎました。4日も各地で懸命な救助活動が行われていますが、道路の寸断や度重なる余震で作業は難航しています。


珠洲市仁江町・梶谷裕也カメラマン
「珠洲市仁江町の上空です。土砂崩れがあり、8人が生き埋めとなっている情報があります」

珠洲市仁江町の民家を襲った土砂崩れ。90代の男性とその妻、長女の夫婦と帰省していた孫やひ孫まで、家族4世代・11人が巻き込まれました。


仁江町に家族が暮らす女性
「1日の地震の2回目の時に土砂がどっと一軒家を襲って、がけ崩れと一緒に家が流されて潰れた、生き埋めになったという感じ。」

このうち生後2か月の子どもを含む4人は住民らが掘り起こして助け出されましたが、90代と30代の2人が死亡。残る7人を自衛隊が捜索していますが、道路が寸断されたことで重機が入れず、作業は難航しています。


仁江町に家族が暮らす女性
「苦しいです。まだ72時間経っていないのでなんとか助かってほしいです」


中川 拓耶記者
「路面がたわんで、先に進めなくなっています」


津波による甚大な被害を受けた三崎町。道路が寸断されて一時孤立状態となり、避難所でも物資が足りない状況が続いています。

避難した人
「完全な物資が届かない。携帯が通じないのに一番弱ってる」


こちらの男性が先月建てたばかりという長女の新居も、津波で被害を受けました。


長女の新居が被災した男性
「いまも涙出てきたけど涙流しながら片付けもしました。本当に…悲しい」


土砂崩れによる被害は、輪島市でも至る所で見られています。

当麻 葵記者・午前10時半ごろ
「輪島市稲舟町です。土砂に民家が押しつぶされています。この先にも何軒か民家があると思われ、救助の要請を受けた警察が今捜索を行っています」


輪島市稲舟町では、土砂崩れによって高台の集落へ向かう道が塞がれたほか、民家の倒壊に巻き込まれた住人らの救助活動が行われました。現場からは4人が救助され、警察によりますといずれも亡くなったとみられています。


大塚 郁弥記者
「今、まさに警察による捜索・救出活動が行われています」


一方、1日の地震以降、親族がこの家に住む3人と連絡が取れなくなっていて、京都府警と愛知県警の応援部隊20人以上が瓦礫の中に人がいないかを確認していました。


家族を探している親族
「『ここにいたよ』っていう連絡が来たら一番良いんですけど。これだけ連絡がつかないところにいたらどうなるか…。見つかってほしいという思いです」

警察によりますと、親族の女性はその後別の場所で3人の無事を確認、現場に取り残された人はいなかったということです。


突然の地震により、大切な家族の安否確認でさえ難しくなっている被災地。ライフラインは寸断され、避難者たちの生活は深刻さを極めています。午前8時現在、県内の14の自治体で依然断水が続き、輪島市内の温浴施設では避難者が生活用水に使う水を汲んでいました。


帰省中に被災した男性
「元々貯蓄していたので、飲んだりする水はそれで大丈夫だが、トイレの水や手を洗ったりする水が無いので。ここだったら…トイレの水だったら構わないので」


能登半島地震の発生から4日で丸3日。支援物資の継続的な調達が課題となっています。