年の離れたボランティアとクリスマスの飾り作り

飛鳥未来高校の「居場所カフェ」の特徴は季節感を大切にしていること。 例えば10月はハロウィーン、そして取材した12月はクリスマス。

イチゴのショートケーキが提供されたほか、部屋全体にクリスマスの壁紙を貼り付けるなど雰囲気作りがなされていました。そして、クリスマス飾りをボランティアの方と一緒に作るテーブルもありました。

テーブルには、松ぼっくりや赤色のリボンなどが用意されていて、生徒とボランティアが楽しそうに飾りを作っていました。

居場所カフェに参加した高校2年生の生徒
「担任の先生が『居場所カフェっていうのをやってるよ』と言ってくれて、気になったので来ました。何か、幼稚園の頃に作品を作っていたときの気持ちに戻れた。皆さん優しくてとっても楽しかったです

ボランティアの女性
「楽しかったです。むしろ用意した私たちの方がちょっとびっくりするっていうか、私たちも本当に若返るという感じです」

ボランティアの方は50代ぐらいの方。この生徒は、年が離れた人と接する機会はほとんどないと話していました。他の生徒も同じように、大人たちと話に花を咲かせながら、楽しく飾りを作っていました。

学校の中に教室以外の居場所を

居場所カフェについて、飛鳥未来高校の富永隆幸教頭は次のように話します。

飛鳥未来高校 富永隆幸教頭
「飛鳥未来高校は、今まで不登校で家に閉じこもっていた生徒が多いような学校で、最初は、生徒が学校の先生以外の大人と接することで、どういった反応をするのかなと思っていました。ただ、学校外の大人の人たちと親しく接する生徒たちの様子を見て、そういった生徒たちも、これから社会と繋がっていけるんだなという希望が持てるような様子を感じられましたので、嬉しく感じています」

一方、NPO法人「ハイティーンズサポートちば」の吉永理事長は、不登校などの生徒が増えている現状を踏まえて、今後の学校の運営にアドバイスを送ります。

NPO法人「ハイティーンズサポートちば」吉永馨理事長
「学校というところが面白くないと駄目だと思うんです。引きこもりだとか不登校とかいうのは、結論を言うと学校が面白くないんですね。学校が面白いっていうのは、こういったカフェがあったり、自由に発言できたり、自分を主張できるところを発揮できる場が学校にあればいいと思ってます」

今回、取材した1人の女子生徒は中学時代、不登校でした。

しかし、今ではカフェの運営に携わるようになり、ボランティアの方と一緒にチキンナゲットを明るい様子で振る舞っていました。

その様子を見て、学校の中で教室以外の居場所を設けるこうした取り組みが、全国により広がって欲しいと強く感じました。

(TBSラジオ「人権TODAY」担当・宮内悠也)