「もし困ったら、僕のせいにしていい」

<検察官>
「男性はなぜ、火だるまになった?」
<社長の男>
「火をつけた人がいるから」
<検察官>
「誰ですか?」
<社長の男>
「従業員Aです」

火は、男性が着ていた服の袖を燃やし、一度は消された。しかし、20~30秒後、男性は瞬く間に火だるまになった。

<社長の男>
「(従業員Aが)火をつける素振りを見た」
<検察官>
「火をつけたところは見てる?」
<社長の男>
「どこにつけたかは見ていない。ライターを持っていたのは従業員A」
<検察官>
「自殺ではない?」
<社長の男>
「はい、…わかりません」

社長の男は、別の従業員が火をつけたと主張。従業員3人が前に立っていて視界を奪われ、火をつけた瞬間は見えなかったという。しかし、他の従業員らは、社長の男が火をつけたと主張。検察側が「3人にうそをつかれる心当たりは?」と問われると…

<社長の男>
「ないですけど。僕のせいにするのがやりやすいんじゃないですか」

社長の男は、弁護士からの問いに、男性が亡くなった翌日、事件当時一緒にいた従業員らに対し、「自分のせいにしたらいい」と伝えたと語った。

<弁護士>
「自分のせいにしたほうがいいと言ったことがある?」
<社長の男>
「あります。『もし困ったら、僕のせいにしていい』と言った」
<弁護士>
「そう言ったことについて、いまどう思っている?」
<社長の男>
「ばかなことをしたな、話せばよかったと思っている」
<裁判長>
「自分のせいにしていいと言ったことについて詳しく教えてください」
<社長の男>
「従業員2人には『自分のせいにしていい』と伝えた。出頭する前の話。『僕が責任を取ります』と言った」
<弁護士>
「みんなを守ろうとした?」
<社長の男>
「そうです。会社のトラブルとして責任があると思うし」

しかし、法廷ではこんな動画が証拠として流された。